山留はケチるべからず

基礎や地下室などを施工する前には地盤を掘削する必要があるが、それによって近隣地盤の崩壊や沈下が起こらないよう、掘削した穴の側面に壁(=山留壁)を設けていく工事のことを、山留工事という。山留壁の種類には親杭横矢板、シートパイル、地中連続壁などがあるものの、エレベーターが必要無い規模の建物を新築する際には、最もコストの安い親杭横矢板が選択されることが殆どだ。しかし、親杭横矢板には遮水性が無く、近隣地盤の沈下抑制効果も低い。地下水位の高い地盤や軟弱地盤で、深さ1m以上の掘削を行うのであれば、親杭横矢板を考え無しに用いるべきではない。もし近隣地盤の崩壊や沈下が起こった場合、その修正には1000万円単位の費用がかかるうえ、地盤絡みの事故は工事保険の適用対象外となるので、ダメージを軽減することもできないからだ。多少の値は張ったとしても、別種の山留壁の設置を検討しよう。

-土木1mm成長録
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