ロームが深い時の考え方

関東ローム層という単語を耳にしたことがある方は多いと思うが、これは富士山などの諸火山が由来の火山屑が、噴火や風雨で飛ばされて堆積した地層である。含有する鉄分が酸化しているので、赤土としても知られる。良質なローム層は、三軸UUで室内試験を行った場合に限るが、3層~5層程度の中層建築物は無改良で支えられる硬さや密度を認められるので、地盤調査でローム層が確認できると嬉しい。ただ、地盤表層の盛土層が厚く、ローム層が基礎底よりも深い位置に存在する場合、どのように基礎底とローム層を接地させるかを考えなければならない。結論から書いてしまうと、基礎底とローム層の間が1m以内であれば根切り底からの表層改良で、それ以上であれば柱状改良で接地させるのが最もコストパフォーマンスに優れているように思う。深基礎の布基礎やピット付きのベタ基礎、ラップルコンクリート打ちなどの方法もあるが、掘削深度が増すことによる土工事コストや残土の増加、および建築側の躯体数量の増加を考えると、地盤改良側でコストを負担した方が安上がりになることが多いのだ。

-土木1mm成長録
-, , , , , , ,

© 2021 Tenjin Service LLC.