配筋検査で品質を守る

木造と鉄骨造に対するRC造の最も大きな特徴としては、躯体を現場で作っていくことが挙げられる。木造や鉄骨造の場合、構造部材は工場で作成され、現場で行われるのは組み立てである。しかし、RC造の場合、構造部材(=壁や柱)の作成も、型枠工事/鉄筋工事/コンクリート工事として現場で行われる。よって、設計通りの出来上がりになっているかの確認や施工品質の確認である配筋検査も、現場で行わなければならない。工場で作られた構造部材の受入検査とは異なり、配筋検査の巧拙が躯体の品質を左右するため、私が監理をするプロジェクトでは、施工責任者と構造設計者の二者を配筋検査に立ち会わせるようにしている。施工の視点、設計の視点、片方の視点だけでは、抜け落ちる部分が出てきてしまうからだ。加えて、以下の9つのチェックポイントを、発注者側からも明示している。

①鉄筋の種別、径、本数は合っているか?
②鉄筋が動かないような結束になっているか?
③鉄筋の開き、被り厚さは十分か?
④スペーサーの配置や数量は適切か?
⑤定着・継手の位置、長さは適切か?
⑥折曲げ部の寸法、余長、フックは保たれているか? 
⑦補強筋、差し筋は配筋されているか?
⑧躯体をいじめない配管の場所や本数になっているか?
⑨配筋箇所はゴミが落ちていない状況になっているか?

上記が全てYesになっていなければ、その是正が行われるまで、コンクリートの打設は控えなければいけない。コンクリートを打設してしまったら、もう後戻りは不可能だ。この、後戻りが不可能というシビアな部分こそ、RC造の施工難易度を高めている大きな理由の一つである。なので、RC造の請負工事を依頼する際には、請負先の会社がどのような配筋検査体制を整えているかを是非とも確認して欲しい。配筋検査体制の緩い会社に、マトモな施工は出来ない。

-建築1mm成長録
-, , , , , , ,

© 2021 Tenjin Service LLC.