一種単価を見抜く②

前回のコラムでは、容積率には
3つの種類があるという話をしました。
では、一種単価を求める際に
使うべき容積率はどれになるのか?
今回のコラムではそのあたりを解説します。

まず、都市計画に則って行政が決めた容積率を、
指定容積率と言います。指定容積率は
用途地域(=地域の用途)によって異なり、
商業地の指定容積率は高く、
住宅地の指定容積率は低いのが普通です。
https://www.mlit.go.jp/crd/city/plan/03_mati/04/

例えば、以下は東京都北区の用途地域図ですが、
JR赤羽駅や東京メトロ南北線沿線は
商業地として指定容積率500%や600%が設定されています。
他方、JR赤羽駅の西の丘陵地は閑静な住宅地なのですが、
指定容積率は150%から200%と控え目です。

次に、建築基準法によって定められた、
土地の前面の道路幅と用途地域から
求められる容積率を基準容積率と言います。
商業地や工業地の基準容積率は、
前面道路幅のメートル数×60%となります。
住宅地の基準容積率は、
前面道路幅のメートル数×40%となります。
なお、前面道路幅が4m未満だったとしても、
基準容積率を求める際のメートル数は4.0を使用します。
https://www.e-a-site.com/knowledge/rules/capacity/

もし、指定容積率と基準容積率が異なった場合、
数値の低い方が建築時の容積率として優先されます。
しかし、この容積率はあくまで理論上の数値で、
土地の形状によっては、容積率いっぱいまで
大きな建物は建てられないことも多いです。

そこで、実際に建てられる建物の大きさから
逆算した容積率を、実行容積率と言います。
一種単価を求める際に使うべき容積率は、
この実行容積率です。

次回のコラムでは、
実行容積率の考え方を踏まえたうえで、
どの土地の一種単価が一番安いのか見抜く、
演習を行ってみたいと思います。

-イントロダクション
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