親杭横矢板による山留壁はコストパフォーマンスに優れているものの、遮水性が無く、近隣地盤の沈下抑制効果も低いと昨日のエントリに書いた。では、別種の山留壁として少し言及していたシートパイルと地中連続壁はどうなのかというと、両方とも遮水性が有り、近隣地盤の沈下抑制効果が期待できる。H鋼の間に木板を挟んで終わりの親杭横矢板と異なり、シートパイルは隙間無くリブ状鉄板を打ち込んでいくし、連続地中壁はセメントの壁を形成するからだ。ただし、リブ状鉄板を打ち込むためにはトルクの強い大型の施工機を用意する必要があるため、狭小地での施工は難しい。対して、地中連続壁であれば、柱状改良体をラップさせて形成することもできるので、狭小地でも施工がし易い。コストパフォーマンスでは親杭横矢板に敵わないまでも、地下1階程度の高さであればシートパイルより大幅に安いので、リスクの高い地盤で山留工事を行う際には、連続地中壁の利用も検討することをお勧めする。
バランスに優れる地中連続壁