置換工法の罠

置換工法という地盤改良工法がある。これは、建物の直下にある地盤を軽量の改良資材で置き換え、建物荷重が増えても鉛直方向の総重量が建築前と変わらないようにすることで、下部構造を成り立たせる工法である。軟弱地盤で柱状改良が成り立たなかった際に、杭打ちをしたくないが故に置換工法が検討されることが多いが、場合によっては杭打ちよりもコストが嵩んでしまうケースがあることを留意しなければならない。確かに、改良資材の金額だけを見ると安く感じると思う。しかし、改良資材への置き換えの際に発生する建設残土の増加、根切り底が深くなることによる土工事費用の増加、ピット階を設けることによる躯体工事費の増加などを勘案すると、高い買い物となることもあるのだ。施工の実際についても把握できていなければ、建築コストの合理化を図ることは難しい。

-土木1mm成長録
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