柱状図とN値

標準貫入試験(ボーリング)で地盤調査を依頼した際に、成果物として納品される代表的なものが柱状図である。柱状図を見ると、地表面からの深度別に、どのような地層が折り重なっているかを知ることができる。

(参考)柱状図のサンプル
https://doboku.metro.tokyo.lg.jp/start/03-jyouhou/geo-web/manual/%E6%9F%B1%E7%8A%B6%E5%9B%B3%E3%81%AE%E8%A6%8B%E6%96%B9.pdf

建設を行うに当たって柱状図から読み取るべき重要な情報は、地層の硬さと緊密さだ。地層の硬さはN値(地盤を掘り進める際に必要だった打撃回数)から読み取ることが可能で、N値が大きいほど硬い地層と言える。硬さが十分でない地層の上に建物を作ってしまうと、建物の重みで地層が壊れる(剪断破壊)ことで、建物は傾いてしまう。地層の緊密さもN値から類推が可能で、N値が大きいほど緊密な地層であることが多い。緊密でない地層が建物の地下にあると、建物の重みで土中の水分が抜け出て地層が圧縮される(圧密沈下)ことで、建物は沈んでしまう。このように、N値は地層の硬さと緊密さを分かり易く知らせてくれる使い勝手の良い指標だが、硬さや緊密さの正確な値を示してくれるものではない。硬さや緊密さの正確な値を知りたい場合、室内土質試験を行う必要がある。地盤改良等を含む下部構造の最適化を行うに当たっては、N値だけでは力不足なのである。

-土木1mm成長録
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